247月
2013
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たっち 平成25年 8・9月号

幸せな子を育てるのではない。どんな境遇におかれても幸せになれる子を育てたい。

先日読んだ本に,上記の言葉が載っていた。子どもを育てる,人間を育成する,自らの生き方を考える上で,私たちに大きな指針を与えてくれる言葉である。
親は子どもより早くこの世を去る。いつまでも親のもとで世話をするわけにはいかない。親は子どもが困難に出合ったとき,相談にのったり少し手助けをしたりすることはできるが,困難を乗り越えるのは子ども自身の力である。親は,自分が育てた子どもの力を信じるしかない。私たち大人にできることは,子どもが自分で生きていける力,感謝の気持ち,幸せを感じる力,みんなと協力し合って幸せをつくり出す力をつけてあげることである。
最新のゲーム機がほしい。何時間でも満足するまでゲームで遊びたい。カードがほしい。全部がそろえられるまで買ってもらいたい。おいしいお菓子が食べたい。食べたいときにはいつでも食べられる。・・・・現代は,物が豊かに溢れかえっている時代である。また,使い捨ての時代でもある。欲しい物が苦労することなく手に入れることができ,感謝の気持ちも幸せ感も薄らいでしまう。
哲学者のルソーが「子どもを不幸にする一番確実な方法は,なんでも手に入れられるようにしてやることだ。」と言っている。近頃新聞に報道されている犯罪記事を読んでいると,「どうして,我慢できなかったのだろう。どうして自分の不幸を人のせいにばかりするのだろう。」などと思ってしまう。

25-3.9

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