308月
2013
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たっち 平成25年 9月臨時号

子どもの絵は、見るものではなく、聴くものである。

子どもの絵を理解するには,描いているようすを見たり,子どものそばに行って思いを聞いてみたりすることがとっても大切です。話を聞いてあげ共感してあげると,こどもは,幸せな気分になります。
レストランで食事をするときには,おいしいかおいしくないかで評価しますよね。しかし,家庭での食事は,おいしいかおいしくないか,いわゆる味だけでは評価しないと思うのです。家庭菜園で育てた野菜が少しでもサラダの中に入っているとわくわくしますよね。また,幼いころの思い出ですが,仕事で疲れているお母さんが早起きして弁当を作っている姿を見たとき,その弁当の良し悪しに文句なんか言えなかったですよね。
トントン,グツグツと料理しているときの奥さんや,お母さんの姿や台所の音や湯気・・・・・,
それにスーパーのチラシを真剣に見ている姿も目にしていますよね。そんな、いろいろな思いや情景が家庭料理を味わうときに反映しているわけです。子どもの作品も同じだと思います。私たち大人は、子どもの作品の良き理解者でなくてはいけません。子どもの作品づくりから目を離してはいけません。子どもの作品に対しての想いに耳を傾けなければなりません。そして,どんな支援を必要としているのかも見極めなくてはいけません。作品が出来上がったときには,その作品を通して子どもを語れることが大切です。どのような絵に仕上がっても,絵の出来具合だけでなく取り組む姿勢や頑張ったことなどをほめてあげることが大切です。子どもの豊かな感性は,そのようにして育っていきます。
本園では,感性を高める活動を全ての活動に取り入れています。いや感性を育てる視点で,全ての指導にあたっていると言った方が適切かもしれません。感性の豊かさは,子どもの頃にどれだけ感動体験をしたかがで大きく影響します。造形教育では,感性を働かせ心豊かに活動させることが大切です。例えば,土や絵具の感触を全身で感じる「どろんこ遊び」や「外での絵具遊び」もその一つですし,休み時間も自由にお絵かきしたり各クラスで工作を作ったりしています。また,造形教育以外では,虫を捕まえて飼育したり,野菜を育てて収穫したり料理して食べる体験からも培われます。これからも,子どもたちの心を開放する感性教育に力を注いでいきたいと思います。

私があの子どもたちと同じ頃は,ラファエロのような
絵を描くことができた。しかし,子どもたちと同じ
ような絵が描けるようになるまでに一生かかった。(ピカソ)

<作品展のご案内>
○永山郵便局―――8月27日(火)~9月2日(月)
○永山公民館―――10月29日(火)~11月12日(火)

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