016月
2014
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たっち 平成26年 6月号

「おいしいものをたべる」と「おいしくものをたべる」について

 

ようやく北海道も暖かくなり,本園でも畑で作物を育てる準備を始めました。
園横の広い用地を畑に活用することができるようになったので,今年は,ジャガイモやサツマイモ,スイカ等13種類ものたくさんの野菜を栽培することにしました。
園児に,野菜を育てる楽しさや収穫の喜びを味わわせたいと思います。

最近は,テレビで食べ物を取り上げたグルメ番組が多いですね。
有名レストランの一流シェフが作った豪華な料理や高価な食材を使った料理などを見ていると,ついおいしそうで生唾を飲み込んでしまうことがあります。
みなさんも「いいなあ~食べてみたいなあ。もし毎日豪華な料理を食べることができたらどんなに幸せだろう。
」なんて考えてしまうことがありませんか。

しかし,おいしい物は高価なものばかりとは言えませんよね。
自宅の菜園で収穫したキュウリやトマトなどは,新鮮でみずみずしく高級食材に負けないおいしさです。
それに,毎日世話をして育てた思いが合わさって食卓がより一層楽しくなりますよね。
また,冷蔵庫の中にある限られた食材であっても,愛情込めて手をかけ工夫して作ると,作る楽しさと食べる楽しさとが合わさって素敵な食事の時間となるのではないでしょうか。
さらに,感謝の気持ちをもって一家団欒で食べると,話も弾みおいしさが何倍にも膨らみます。

私は,「おいしいものを食べる。」ことだけにこだわらないで,「おいしくものを食べる。」ことを大切にすることの方が幸せになるのではないか,と思うようになりました。
「おいしいものを食べる。」ことは,物的環境条件等の生活の問題ですが,「おいしくものを食べる。」ことは,生き方等その人の考え方や心の問題のように思います。

子育ての問題にも当てはまるところがあるように思います。
理想とする子ども像ばかりにとらわれると,子どもの欠点を無くすことに視点を当てた子育てになり怒ってばかりいることになります。
反対にしっかりとあるがままの子どもをまず受け入れ,しっかりと子どもと向き合い子どもの心に響く言葉かけや愛情を注ぐと,良いところも見えてきて心が通い合う子育てができるように思います。
外面的な価値観よりも,内面的な価値観を大切にした視点で子育てをする必要があるのかもしれませんね。

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